undefined MIKEGRAPHY(三毛駆楽風慰) 風に立つライオン

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風に立つライオン

大沢たかおさん主演の映画『風に立つライオン』を観てきました。
映画の元ネタはさだまさしさんの曲『風に立つライオン』で、その元ネタは実際にアフリカでの医療事業に専心したお医者さんが、恋人が違う男性と結婚する際に送った手紙だと言われています(ちなみにそのお医者さんは現在日本に戻ってこられて現役医師として働いておられるそうです)

内戦が激化するスーダンで、長崎大学からやってきて医師が子供達とふれあうちに心を通わせて結局そこで医療に従事する、というお話なのですが、まああまり書くとネタバレになってしまうと思うので書きませんが、そこでは終わらない話になっています。
魂はぐるぐるとこの世界を周り続け、止まることなく受け継がれていく。
これは遠い異国の地での医療活動の話だけではなく、そのひとつの魂がまいた種が様々なところで芽を出し、花を咲かせ、その花がまた種となり、再び大地に花を咲かせる、そういう命のめぐりの物語です。

これはあくまで個人的な意見ですが、正直、映画だからあの落とし方が結末としてはよかったのかもしれないけど、私としてはあの流れはどうだったのかな、と思うわけです。
ああいう流れになったからこそ、ラスト10分くらいにある物語が生きてくるんでしょうけど、個人的はどうかなあ…と思ってしまいました。
曲の中に『私は今を生きることに思い上がりたくはないのです』という一文があるのですが、私としては、どうみてもあの最後につながる場面は、主人公の思い上がりだとしか感じられませんでした。
孤児院をつくり、医療に専念し、周囲の人たちを治療していく。
そこはいい。
だけど、それ故に神(というか現地の人が大事にしているスピリチュアルなもの)をも恐れなくなる、聞く耳を持たなくなる、そしてバツが下った。
私にはそうとしか思えなかったです。
自分はなんでもできる、自分には恐るものはない、高度な医療技術を手にして慢心し傲慢になった、だから神は彼にバツをくだした。
そうとしか感じられませんでした。
もし現地で本当に医療に従事していくのだとしたら、現地で働くのだとしたら、その場所に根付くものに従わなければいけない。それがルールだと思うんです。それを無碍にしておいて、何が現地医療だ、と。
私はそこを無視して綺麗な終わり方にしようとした気がしてなりませんでした。

人のつながりも無論感じられたけど、人の傲慢さ(特に先進国と呼ばれる国々)も同時に見た感じの内容でした。
やはり僕らの国はどこかで道を間違えたのだと思います、というまさにそのもの。ローカルルールは重視しなければならないものなのですよ、やはり。

実は同じことがIS誕生の裏にもあるような気がしてならないのです。
自分たちのルールがどこででも通用すると思い、それを相手に押し付けようとする。あなたの考えは正しくない、私が一番正しいという。
そういう言い方をされて反発しない人はいないと思うのです。
実はISというのは、彼らを攻撃している欧米が生み出した国であり、アフリカの内戦と飢餓もそれを救わんとする欧米が己の欲の上に生み出したものなんじゃないかと、私は思っています。
無論ISのありようやアフリカ各国、そして欧州でも続く内戦がいいとは言いません。
ただ、相手の主張、相手のありよう、相手のローカルルールというものは、尊重してしかるべきものであると思うわけです。
もし欧米で、あなたの意識は間違っている、あなたの生き方は間違っている、と全部を頭ごなしに否定され、他者のルールを押し付けられたら、欧米だって反発すると思うんです。
それと同じことが世界のどこにだって言える。
やられて嫌なことは相手にしない。相手の意見をきちんと聞く。
誰でも子供の頃に一度は教わることだと思うのです。だけど大人になると、いつかそれを忘れてします。それは例えば自分の利益のためだったり、自分の主張が正しいということを他人の証明するただったりするわけなんだけど、人はそうやってずっとずっと争ってきたわけです。そして今も争い続けていて、それによって犠牲になる人がいるわけなんです。
自分と違う意思と意見の人がいる。
それを当たり前だと思い、もっともっと他人の意見に耳を傾けられる人が増えたのなら、もっと世界は変わっていくような気がします。
それが親子やきょうだいであっても。
自分ひとりが正しいわけじゃない、私はそういうことを感じながら、だけど人と人とは違うながらも同じ何かを共有してつながっている。
違うものはなにか。
同じもものはなにか。
それをきちんと見極めて判断できる力が、もっと今の人間には必要なんじゃないだろうか、そう感じる内容でした。

でも、いい映画はいい映画でしたよ。

自分の正義を貫いた航一郎には拍手を送りたいと思いました。
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あきよ

Author:あきよ
中世日本史研究家。
マスターズスイマー。
出会う人に笑顔と勇気と力を与える存在。

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